大判例

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東京高等裁判所 昭和45年(ラ)199号 決定

競売法第二八条、第二九条が、予め最低競売価額を定めてこれを公告し、これ以下の価額では売却を許さないこととした趣旨は、競売不動産の価額を相当に維持し、これを不当に安価に競落することを防止せんとするにあるところ、競売の目的物件たる建物について処分禁止の仮処分の登記がなされ、したがつて敷地使用権についてなんらかの紛争が存することが推測される場合において、敷地使用権の有無を競売手続中に公権的に確定することは不可能に近いから、一応敷地賃借権あるものとして右建物の評価をし、これを基礎として最低競売価額を定めることは許されるものと解すべきである。しかもかくのごとき評価に基づく最低競売価額の決定は、建物の価額を増しこそすれ、減ずるものではないから、むしろ債務者、所有者の利益に添うゆえんである。もつとも、競買人が右仮処分の登記を見て、敷地賃借権を伴わない建物を競落するおそれがあるとして右評価額を基礎とする最低競売価額では競買申出をすることを手控えることも考えられるが、このことは最低競売価額を相当に低減し、新競売期日を開くことによつて解決することができる。(これに要する費用は、終局的には債務者、所有者の負担となるが、本件の場合、もともと敷地使用権の不安定な建物に根抵当権を設定したことから生じた結果であるから、やむを得ないところである。)以上説示の次第とすれば本件競売期日の公告には適法な最低競売価額が記載されていたものというべく、抗告人の本件抗告は理由がない。

(古山 川添万 秋元)

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